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vol.48

「油と和食」〜新しいお寿司〜

Column
初めに

和食をアップデートする

和食をアップデートする

過去、大真面目(だった)な私は、料理の基本やルールというものを決して崩してはいけないと思っていた。

和食の調味料は「さしすせそ」の順番に入れなくてはならないし、大御所の料理家や、本を何冊も出している有名な料理人の言うことは、「絶対的なもの」なのだと信じていたのだ。

尊敬する料理家が言うことを忠実に守って料理をしたし、威厳のある料理本に書いてあることは信じて疑わなかった。

しかし、世界中を飛び回る機会を得て、色々な人と料理をする回数を重ねる度に、「料理には基本はあれど、ルールはない」と言うことを知るのだった。

*ちなみに私のホロスコープ(西洋占星術)を見ると、自分の生きる道を示す「太陽」と、試練の星である「土星」が、「型」や「雛形」などを象徴する「おとめ座」に位置しているので、私はただ星の通りに生きてきたのだと言うことが分かって、今なら笑える。

その後、型を破ることが快感だと知ってしまった私は(笑)、こうして料理教室を通じて「みんなもルールや型を破るが良い!」と大きな声で発信をしているのだけれども、それは、教科書が悪いわけでも、大御所の料理人の言っていることが間違えていたということではない。

・・・・・時代は変化しているのだ。

麦?

例えば、今はお寿司に欠かせない「生魚」だが、冷蔵庫の誕生前は生の魚を流通させることなんて不可能。どうしても日持ちをさせたい場合は、生魚を醤油漬けにしたり、味噌漬けにしたり、塩漬けしたりする工夫が必要だった。

そして日本で初めて冷蔵庫が誕生したのは1930年のこと。つまり、日本のこれまでの歴史の中で、日常的に生魚を食べてきた歴史は、まだ100年も経っていない。(!)

実際「生魚」は、食材の中では「消化に時間がかかるもの」の類に入る。

それでも、私たちの祖父母が若かった頃は、生魚を頻繁に食べる人はそう沢山はいなかったはず・・・。それが今、現代2024年を生きる私たちにとっては、お刺身はどこでも気軽に買えるものになっていることを知っておくことが重要だ。

私たちは、身体の声に従って生きることで、肉体のバランスを保っているが、現代は玉石混淆の情報が溢れ、自分の体が欲しているものが分かりにくい。

だからこそ、温故知新の精神で、先人がつないできた食の叡智を確認し、今を生きる私たちの暮らしに無理がないようアップデートをしていくことが必要なはず。

グルメな時代を選んで生まれてきた私たちは、「何をどのように食べるか」を学び、私たちの環境や身体に合うように、食生活やその文化を少しずつ、アップデートしていきたい。

健康食と思われている和食だが、アップデートする部分は沢山ある。

和食という概念が生まれたのは、実はそんなに古いことではないし(むしろ新しい)、そもそも和食とか日本料理というものは、時代によってその概念が常にアップデートされてきたものだから・・・。

この2ヶ月のレッスンで、現代の和食の「素晴らしさ」と、「改善点」を、自分の体で感じて体験していただけたら嬉しい。

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今回のレッスンテーマである「新しい和食」では、
①オンラインマガジン(9/20(金)配信):「手巻き/ちらし寿司編」
②ライブ配信(10/18(金)20時〜):「和の引き算料理」
をテーマに、2ヶ月をかけて皆様の和食の概念をアップデートしていきます。

9月はちょっと華やかな(でもとっても簡単シンプルな)新しいお寿司のご提案、10月は、お出汁や甘味の使用を最小限に作る「心と身体のバランスを整える」和食や、シンプルな和食にあわせたい油の使い方をご紹介します。

引き続き、ご自身の身体や心と対話をしながら、この2ヶ月を過ごしてみてください。

それでは、和食のアップデートお寿司編!スタートしましょう!